トイレタンクの水が止まらないのはなぜ?原因と対処方法解説
2018/06/24
「突然トイレタンクの水が止まらなくなってしまった!」
「便器の中にチョロチョロと水が流れ続けている!」
「レバーを回して水を流したら、手洗いの水が止まらなくなった!」
「トイレタンクの水が止まらない原因がわからない!」
「水が止まらない原因にはどんなことが考えられるの?」
「業者に修理依頼したらどのくらいの金額になるの?」
こんなことであなたはお困りではありませんか?
水洗トイレは、トイレレバーを回すとタンクから水が流れて便器内の便などを洗い流す構造になっていますが、何らかの不具合が生じると、流れる水が止まらなくというトラベルが発生する場合があります。
そのトラブルの原因は様々考えられ、その原因によって対処方法も変わってくるので、そんな突然トイレタンクの水が止まらなくなってしまった時の原因と対処方法についてご紹介しましょう。
目次
トイレタンクの水が止まらない
トイレの水が止まらない場合や、トイレタンク内にトイレタンクに水がたまらないで便器側に流れている場合は、トイレタンク内の点検が必要となります。
考えられる原因としては、タンク内にある浮き球やフロートバルブなどの劣化で、本来の機能を果たせなくなっていたり、何らかの異物が混入したりすることが考えられます。
その他にもさまざまな原因が考えられるので、順を追って確認していきましょう。
トイレの構造についてはこちらをご覧ください。
トイレタンクの水が止まらない原因を探す
トイレタンクの水が止まらない原因には、さまざまな事が考えられるので、まずはひとつひとつ考えられる場所をチェックしていく必要があります。
用意しておくものとしてはマイナスドライバー・ゴム手袋などがあると良いでしょう。
止水管を止める
まずはトイレタンクに水を給水している給水パイプの途中に、必ず水を止めることが出来る止水栓が取り付けてあるので、この止水栓を閉めてタンクへの水の給水を止めます。
止水栓には普通の水道の蛇口に付いているようなハンドルで閉めるタイプと、マイナスドライバーで締めるタイプの2種類があります。
ハンドルタイプの場合は単純に手で右に回せば閉じる事が出来て、マイナスドライバーのタイプの場合は、開閉口にマイナスドライバーを入れて右に回せば閉じることが出来ます。
しかしどちらのタイプの場合も、止水栓自体ほとんど開閉することが無いために、簡単に回らないことが良くあり、無理に回そうとすると止水栓の開閉口自体を破損させてしまう危険があります。
簡単に回りそうも無いようなときには、ひとまず水道の元栓を閉じて水の給水を止め、その後の対応を考えるようにしましょう。
タンクの蓋を開ける
次にトイレタンクのふたを開けて内部の確認作業に入りますが、実はトイレのタンクの蓋はメーカーや種類によって様々で、最近はタンク自体が内タンクレストイレも普及してきています。
タイプ別に蓋の開け方を紹介しましょう。
手洗い器無しタンクの場合
手洗い器が無いタンクの場合は、タンクの上に単純にかぶさっているだけなので、蓋をそのまま垂直に持ち上げれば簡単に取り外すことが出来ます。
タンクの蓋はそれなりに重量があり、素材も落とすと割れてしまう陶器製なので、取り扱いには十分に注意しましょう。
手洗い器付きタンクの場合
手洗い器付きのタンクの場合はタイプがいくつかに分かれていて、それぞれに対応の仕方が違っているので、タイプ別に解説しましょう。
タンクへの接続タイプ
タンクへは様々な接続タイプがあります。
①金属パイプで接続されているタイプ
金属パイプで接続されているタイプの場合は、手洗い管がタンクの角に取り付けてあるので、ボールタップから金属製のパイプが上に立ち上がって、手洗い管に接続されています。
接続部分は特に固定されていないため、手洗い器無しタンクの場合と同様にタンクの蓋を垂直に持ち上げると、簡単に取り外すことが出来ます。
②ジャバラホースで接続されているタイプ
手洗い器とボールタップが透明なジャバラホースで接続避けている場合は、手洗い器側がナットで固定されていることがあるので、手でナットを回して外します。
ナットを外してしまえば、差し込まれているだけなので簡単に外すことが出来るので、そのまま持ち上げて外しましょう。
③ゴムホースで接続されているタイプ
ゴムホースで接続されているタイプの場合は、手洗い側にゴムホースが付いていて接続部分がバンドで固定されていることがあるので、バンドを緩めて外してから蓋を外しましょう。
バンドがさび付いて取れないようなときには、ナイフを使って取付側ギリギリのところで切断して外すようにしましょう。
④最新型のトイレタンクのタイプ
最新型のトイレタンクのタイプの場合は、蓋側にはホースが接続されていてもバンドやボルトで固定されていることが無いので、蓋を持ち上げるとそのまま取り外すことが出来るタイプがほとんどのようです。
中にはタンクの蓋を外すと中に樹脂のカバーが取り付けてあるタイプもありますが、こちらも持ち上げると簡単に取り外すことが出来ます。
タンク内の水位を確認する
タンクの中を点検する作業に入る前に、タンクの中の水位がどの位置にあるかを確認してみることで、ある程度、故障している場所を特定することが出来ます。
実際に故障をしている場所は確認が必要ではありますが、事前にタンク内の水位を見て故障をしている場所の目星を付けておくと、次の作業がしやすくなります。
タンクの中の標準的な水位は、水面から出ているオーバーフロート管に刻印されている「-WL-」の位置になるので、まずはこの位置を良く確認してみましょう。
①標準水位よりも上に水がある場合
標準水位よりも上に水がある場合には、浮き球を使って水が止まるかどうかを確認してみましょう。
「浮き球を持ち上げてみると水が止まる」
タンクの中の水量が多すぎることが考えられ、その原因としてはタンク内の水位調整リングや浮き球に異常があると、水が止まらなくなったり、水の出が悪くなったりします。
対処方法としては、水位調節や浮き球の点検を行う必要があるので、下記にある点検項目を確認してみましょう。
「浮き球を持ち上げてみても水は止まらない」
水が出てくる管のボールタップの中にある、ピストンバルブ自体の摩耗や内部に水あかやゴミが詰まったりしている可能性があります。
対処方法としては、ボールタップを取り外して中のピストンバルブを点検して、水あかやゴミを除去してみてもダメであれば、ボールタップの交換が必要となります。
②標準水位よりも下に水がある場合
標準水位よりも下に水がある場合には、トイレの水を流すレバーが回した後に元に戻るかどうかによって判断することが出来ます。
「水を流すレバーを回すと元の位置に戻る」
水を流すレバーを回すと元の位置に戻るのであれば、フロートバルブの弁が外れているだけの場合があり、フロートバルブが突起部にしっかりとはめ込まれているかどうかを確認してみましょう。
トイレレバーのアーム部とフロートバルブを接続しているクサリの長さが適正で無くてもフロートバルブが浮き上がって水が止まらなくなることもあるので点検してみましょう。
「水を流すレバーを回しても、回ったままで元に戻らない」
水を流すレバーを回しても、回ったままで元に戻らないのであれば、レバーそのものの劣化が原因と考えられるので、レバーの部品交換か分解してのメンテナンスが必要となります。
水位を確認する
水位を確認して、本来の位置に水位が無いときには適正な水位に調整する必要があります。
水位を調整するにはボールタップの付け根部分に水位調節リングの有無によって対応が変わってきます。
まず水位調節リングがある場合には、水位が標準水位よりも低いときには右方向に、逆に水位が高いときには左方向にそれぞれ回し、90度回すことで8mmの水位を変える事が出来ます。
水位調節リングが無いときには、水位が高い時には浮き球の付け根にある支持棒を下に、逆に水位が低いときには支持棒を上に曲げます。
支持棒を曲げるときには、付け根付近では無く棒の中を鵜付近で、本体に無理な力が掛からないように注意しながらゆっくりと曲げていきます。
タンクの中にある水を抜く
次にタンクの中を点検する作業に入る前に、タンクの中に入っている水をすべて抜いて、タンクの中の水を空にして作業をしやすくしましょう。
タンクの中の水を抜くためには、トイレレバーを回せばすべての水が流れていくので、タンクの中の水を空に出来ます。
レバーを点検する
タンクの中の水を流そうとしても、レバーが空回りして水を流せないことも考えられるので、その時はレバー自体の交換が必要となります。
①一般型タンクの場合
タンクの無いのレバーのアームに付いているクサリを外し、レバーを固定しているナットを回して外しレバー後と引き抜きます。
新しいレバーをタンク内部に差し込んだらパッキンを取り付けて、ナットを取り付けて締め付けて完了です。
②金属製レバーハンドルの場合
古いタイプのタンクの場合には金属製のレバーを使用していることがあり、その時には分解して手入れを行うと、直せる場合があります。
まずフロートバルブ側に付いているクサリを外し、レバーに付いているねじを外したらハンドルを外し、レバーが取り付けてあった軸を内側に引き抜きます。
軸を良く確認して水垢や座などを耐水ペーパーを使って取り除いたら、軸にグリスやシリコンオイルを塗布しておきましょう。
軸をタンク内部に差し込んで、レバーをねじで固定してフロートバルブのクサリを取り付けたら完了です。
軸のさびがひどいようなときには、手入れでの修理は難しいので、部品の交換を行うようにしましょう。
レバーの部品の価格は、汎用型の物だと1,500円程度で購入できる物もありますが、メーカーの純正パーツの場合には4,000円ほどすることもあるようです。
鎖を点検する
タンクの中をのぞき込むと、中にレバーのアーム側とフロートバルブ側の間にクサリが取り付けてあり、このクサリの調節が必要となります。
クサリのタイプにはステンレスの金属製の場合と樹脂製の場合の2つがあるので、それぞれ調節の方法が違うのでここでご紹介します。
①ステンレス製のクサリの場合
構造としては、水を流すレバーのアーム側とタンクの底にあるフロートバルブの間に接続してあり、レバーを回すことによってフロートバルブが開閉動作を行って、便器に水を流す仕組みになっています。
このクサリの調節が適正で無いと、水がタンクに流れ続けてしまう現状が発生してしまうために、クサリの調節は重要になります。
ステンレス製のクサリの場合は、大・小共に3個ほど余してアームに取り付けておくのが最適で、クサリがピンと引っ張られすぎていると、フロートバルブが完全に閉じなくなってしまいます。
そうなるとタンクの中の水が便器側に流れ続ける事になるので、多少の遊びがある程度に調整するようにしましょう。
②樹脂製のクサリの場合
タンクの内部の構造はステンレス製のクサリの場合と同様に、水を流すレバーのアーム側とフロートバルブの間に接続してあり、レバーを回してフロートバルブが開閉動作を行って、便器に水を流す仕組みです。
樹脂製のクサリの場合は、大・小共に2個ほど余してアームに取り付けておくのが最適で、ステンレス製と同様にクサリがピンと引っ張られすぎていると、フロートバルブが完全に閉じなくなってしまいます。
そのために、多少の遊びがある程度に調整する必要があります。
クサリだけの購入も出来るようですが、調整を考えたときそれほど高価でもないのでフロートバルブと一体になったクサリを購入した方が良いようです。
フロートバルブを点検する
レバーのアーム側とフロートバルブに接続してあるクサリの調節が出来たら、次にフロートバルブの確認を行いましょう。
フロートバルブはレバーを回すことでアームとフロートバルブにつながれているクサリが持ち上げられて、開閉動作を行いますが、そのフロートバルブに異物が挟まったりすると完全に閉じれなくなります。
そうするとタンクに流れる水がそのまま便器側に流れ出てしまい、水が止まらなくなる現象が起きます。
異物はわずかな物でもフロートバルブに挟まってしまうと水は流れ出てしまうために、小さな物でも見逃さないように何か挟まっていないかよく確認してみましょう。
クサリが付いたフロートバルブの価格は、それほど高価ではなく汎用型からメーカーの純正品までおよそ500~1,000円ほどで購入できるようです。
⇒便器のフロートバルブの交換方法。費用や修理業者に頼んだ時の料金は?
浮き球を点検する
タンクの中には浮き球が取り付けてあり、この浮き球はタンク内の水位に応じて上下してフロートバルブを開いたり閉じたりすることで、便器側への水を流したり止めたりします。
そのためこの浮き球に何らかのトラブルが発生した場合にも、水が止まらなくなる原因となる事があります。
浮き球を点検するときには、「浮き球がひっかかっている」「浮き球がはずれている」「浮き球の中に水が入っている」などが原因に考えられます。
浮き球がひっかかっている場合には、浮き球を支持している支持棒や浮き球を調節して、他の部品に引っかからないようにしましょう。
浮き球が外れている場合には支持棒をしっかりと持って、ボールタップに差し込んだ上で浮き球が上下にスムーズに動くかを確認して、ボールタップについているナットを締め付けて固定します。
浮き球の中に水が入っている場合には、浮き球自体がひび割れなどで破損している可能性が高いので、ボールタップ側のナットを緩めて支持棒を左に回せば外すことが出来ます。
新しく購入した浮き球をボールタップ側にしっかりと差し込んで、浮き球の上下の動きを確認して、ボールタップに付いているナットを締め付けて完了です。
浮き球だけを購入した場合の価格はおよそ500~1,000円程度で購入できるようです。
ただ浮き球だけの修理で直らない場合も考えられるため、明らかに浮き球だけが原因と特定できないようなときには、浮き球と一体になったボールタップの交換をおすすめします。
ボールタップを点検する
浮き球を点検しても異常が確認できない場合には、浮き球が取り付けてあるボールタップの弁が正常に作動しているか確認してみましょう。
ボールタップの中にあるピストンバルブにゴミなどが入ると、本来浮き球の動きに合わせて水を出したり止めたりする動きが正常で無くなることがあります。
手順としては、ボールタップのタンクの外側寄りのねじを外して、アームを右に引いてピストンバルブを下に引き抜きます。
もしねじが外せないようなときには、タンクの外側の給水管を止めているナットを外して、ボールタップをタンクの内側から引き抜いてから、ピストンバルブを取り出してみましょう。
取り外したピストンバルブを、ブラシやサンドペーパーなどを使って中の水あかやゴミを取り除き、ピストンバルブをボールタップに戻して、浮き球が付いてあるアームを取り付けて、ねじを締めれば完了です。
ボールタップの価格は汎用型に作られている安いタイプだと2,000円ほどで購入できる物も発売されていますが、メーカーの純正部品の場合は9,000円以上するタイプまでさまざま出ているようです。
⇒便器のボールタップの交換方法。費用や修理業者に頼んだ時の料金は?
タンクの蓋を閉める
すべての点検が完了したら、タンクの蓋を閉めて元に戻しましょう。
蓋を外すときに手洗い器付きタンクの場合だと、手洗い口に休するするホースの接続部のナットやバンドなどで接続してあるところを外していれば、忘れずに元のように取り付けておきましょう。
しっかりと手洗い管にホースが接続されていないと、手洗い口から水が出てこなくなって、そのままタンクの中に水が給水されてしまうことになるので注意しましょう。
止水管を開ける
一番はじめに閉めて水を止めた止水栓を開きます。
その時に止水栓の水量調節があるために、全開にはせずに少しずつ給水を開始して、しっかりと水量の調節を行いながら止水栓を開けていきましょう。
水量調節がわからなかったり、難しいようならばはじめに止水栓を閉じたときに回した回数を覚えておくと良いでしょう。
そうすれば元々の水量がどのくらいかわかるので、同じ回数だけ回せば元の状態の水量に戻すことが出来るわけです。
また作業を始める時点で止水栓を閉める事が出来なくて、水道の元栓で閉めている場合は、止水栓に原因が無く水が出続ける原因が解決したとしても、止水栓で水が止められないのはいざという時に何かと不便です。
そのためにも止水栓を修理しておく事をおすすめします。
止水栓の交換方法
止水栓の交換方法としては、水道の元栓を閉めて水が完全に止まっていることを確認した上で作業を進めます。
止水栓の交換するときには、タンクの給水口の接続されている配管をモンキーレンチを使って外し、次にガへから出てきている給水管と止水栓との接続部のナットをモンキーレンチを使ってまわして外します。
給水管と止水栓の接続部のナットを回すときに、給水管側をしっかりとウォータープライヤーなどで固定して回さないと、給水管が付け根付近で折れてしまう危険があります。
どうしてもこの接続部分のナットがうまく外せないときには、止水栓全体の交換は諦めて、止水栓の開閉部だけを交換する方法もあるので、無理せずにやってみましょう。
トイレタンクの水が止まらない場合に業者を呼んだ場合の費用について
ここまでご紹介してきたトイレタンクの水が止まらない時の原因と対処方法ですが、内容を読んでも良く理解できなかったり、修理に自身が無かったりしたらやはり専門の業者に依頼するのが無難な方法です。
でも修理するのにどのくらいの費用が掛かるのかわからないと、なんとなく不安で頼みにくいですよね。
参考までに、今回のようなトイレタンクの水が止まらない時に業者が対応した場合の、目安の修理代金をまとめてみました。
・止水栓交換
部品代1,000~3,000円 技術料技術料3,000~4,000円 出張料2,000~4,000円
・レバー交換
部品代2,000~4,000円 技術料技術料3,000~4,000円 出張料2,000~4,000円
・ボールタップ交換
部品代6,000~9,000円 技術料4,000~5,000円 出張料2,000~4,000円
・フロートバルブ交換
部品代500~1,000円 技術料3,000~4,000円 出張料2,000~4,000円
これらが今回ご紹介したトイレタンクの水が止まらない時に、業者に依頼したときの目安料金となります。
ボールタップとフロートバルブは両方同時に交換が必要となる事があるので、後でまた追加修理を依頼することにならないように、ある程度劣化が確認できたのなら同時に交換してもらった方が良いでしょう。
時間外の早朝や深夜などの場合は、追加料金が発生する場合もあります。
修理代金がわからず依頼に不安を感じているのであれば、この料金の目安を参考に業者に見積もりを出してもらったり、電話で依頼する時におおよその金額を聞いてておくのもよい方法です。
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トイレタンクの水が止まらない原因は、他のトイレのトラブルと比較しても比較的安価で修理が可能で、自分でも簡単に直せる可能性も意外に高いです。
今回ご紹介した原因と対処方法を参考にして、トイレタンクの水が止まらないトラブル解決に取り組んでみてはいかがでしょうか。